Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.409 Zeichen · 23 Bildschirme
忍は平城である、北に刀根川の流れがあり、南には荒川が蛇行している、城はそのほぼ中間にあって地盤は低く、その周囲には水田と沼沢とがうちわたしてみえる。そしていま三成の立っている丸墓山の中心に、小高い堤が北と西とへのびていた、これはふたつの川がしばしば氾濫するので、耕地をまもるために農夫たちが築きたてたものであった。三成はこの地形をみて、かつての高松城のたたかいを思いだした、秀吉はなかなか落ちない高松城を水攻めにした、いま見るところでは忍城も水攻めには屈竟である。――よし、水攻めだ。本陣へもどったかれはすぐに命を発し、水よけの堤をそのまま利用して、南から西へと半円をえがくように築きのばさせた。工事は夜も日もわかたず続けられた、人手は余っていたし、賃銀も惜しまなかった、それで十日たらずの日数で里余の長堤が築きあがった。すぐに刀根を切り、荒川を切った、ふたつの川水は濁流となって忍の低地へおち、忍城はそのとりでの根まで洗われるに至った。けれど仕すましたりと思うまもなかった、それから数日のあいだ降りつづいた豪雨のために、せっかく築いた堤はたちまち欠壊し、濁流はかえってよせての陣へ襲いかかった。