Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.409 Zeichen · 23 Bildschirme
四
「わらわは兵も武器も足らぬとは思いませぬ、弾丸ひとつ、矢ひと筋、その一つ一つにむだがなければ武庫にあるだけでも余るくらいです。兵はなるほど三百そこそこでしょう、けれどたたかいは兵だけがするものではない、忍の領土に生きる者はみな兵となってたたかう筈です、老人も、幼児も。婦女も、……すくなくともわらわと姫とはたたかいます」
そう云って真名女はしずかにうわぎをぬいだ、甲斐姫もぬいだ、ふたりとも下には鎧の腹巻をつけていた。
四
評定はその一瞬にきまった、館林へ合体しようと云った常陸介とその同意の人々も、むろん忍城のまもりにつく決意をかためた、真名女はその評定がもはやゆるぎのないものだとみきわめると、良人の兜をとってしずかにかぶり、
「ではあらためて、唯今からわらわが忍城のあるじになります、この甲冑は下総守氏長さまのおきせかえでした、この甲冑をつけて命ずることは、下総守の下知と思ってもらいます」
そう云いながら立ちあがった真名女のすがたは、甲冑もよく似合って、ひじょうに凜乎としたものだった、人々は歎賞のこえをあげながらひとしく平伏した。……真名女はそれをみおろしながら――これでたたかいの第二にも勝った。