Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 15.424 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

四月十三日

四月十四日

スエ子生れて初めての貸家さがしに出かけ、約定ズミ。

四月十三日(月曜)雨

きのうあたりから自分の体しっかりして来た。bed につぐんでいるのがいやになってきた。稲子からかりた机によって日記をかき、Mからの手紙を原稿紙の帳面にうつしたり。字というものは何と生きていて、その人のものであろう。同じ宮本の手紙を私の字で書くともう彼の字が私に連想させる全肉体の感じが消えてしまう。そしてそれはいやだ。活字は又全然ちがう。自分がやれるうち片はじから宮本の手紙をあつめ、うつしておこうと思う。彼のあの豊富な生活、二十九歳の男子の全生存が僅か三銭の封緘の中にだけ文字化され外界に表現されるのであると思うと、生命の滴々であると思う。一しずくでもむだにこぼさせるものか、そのようにつきつめる。

〔欄外に〕

きょうの雨はいい雨。傘をさして樹の下を歩いてみたいような雨。

朝窓をあけたら外苑の木立の間がうっすり紫っぽくけむっているようであった。

○人生に対する要求、モラルになり易い。

モラルではないが心を打つ、そういうもの。

四月十四日(火曜)

○スエ子が夜ケンプのピアノをききに出かけたので、テーブルに向い、宮への手紙をかきはじめた。