Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.192 Zeichen · 7 Bildschirme
十二月十一日
その淋しい沈んだ心の前に現われて来る他人と云うものは何故ああ云う風に他人に無関心な蕪雑な、利己的なものなのだろう。淋しさは自分の心を狭く小さく、主我的なものに仕て仕舞うのか。
淋しい者の心は――淋しさを知って居る者ほか分らないのだろう。深い愛、深い深い生命と倶の愛。
十二月十一日
自分の此頃の心持を考えて見ると、人間の生活の中に起って来る危期と云うものは、種々な場合と形とを取るものである事を知った。
高木氏に対する自分の心持は、勿論好きと云う程度を出るものではない。しかし、Aに遠くはなれて、彼を miss する心持は、却って一面から云うと、高木氏に近づかせるような傾向を持って居る。
不思議なものだ。危いものだ。人間の心は誰も保証は出来ないのだ。
理論は微妙な心の間際にまで及ぼされなければならないのだ。人気の少なく成ったパーラーの一隅には、英国人が四人でトランプをし、ピアノに一人の若い男が美くしくセルナードを奏して居る。
嵐を期待した、暗い、波の高い海の上を船は滑って行くのだ。種々の愛と、野心と不安とをのせて行くのだ。
船が揺れるように成って来ると、船に強い人は、故意か自然か、もっと船の揺れる事を望むような事を云う。