Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

きゅうしゅじん

旧主人・芽生

島崎 藤村

Lesen Sie 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.813 Zeichen · 302 Bildschirme

Aozora Bunko

その時は、大久保に住む一人の友達とも一緒だった。強健(じょうぶ)そうな年寄の医者は、熱のために萎(しお)れた娘を前に置いて、根本から私達の衛生思想が間違っていることを説いた。他の医者が腸の悪い子供に禁物だというようなものでも、すべて好いとした。牛乳のかわりに味噌汁、粥(かゆ)のかわりに餅(もち)、ソップのかわりに沢庵(たくあん)の香の物……それから、この慷慨(こうがい)な老人は、私達が日本固有の菜食を重んじない為に、それで子供がこう弱くなると言って、今日の医学、今日の衛生法、今日の子供の育て方を嘲(あざけ)った。私は娘を連れて、スゴスゴ医者の前を引下った。煎(せん)じ薬を四日分ばかりと、菜食の歌を貰って、大久保へ帰った。

何となくお房の身体には異状が起って来た。種々な医者に見せ、種々な薬を服ませたが、どうしても熱は除(と)れなかった。時とすると、お房の身体は燃えるように熱かった。で、私も決心して、復た皆川医学士の手を煩(わずら)わしたいと思った。月の末に、学士の勧めに随って、私はお房を大学の小児科へ入院させることにした。

「母さん、前髪を束(と)って頂戴な」