Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きゅうしゅじん
旧主人・芽生
島崎 藤村
Lesen Sie 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.813 Zeichen · 302 Bildschirme
書記は煙管(なたまめ)の雁首(がんくび)で虫を押えたかと思うと、炉の灰の中へ生埋めにしました。
「先生」と源は放心した人のように灰の動く様を熟視(みつ)めて、「先刻の御話でごわすが、足の骨を折られて死んだものがごわしょうか」
「有ますとも。足の傷はあれでなかなか馬鹿にならん。現在、私の甥(おい)がそれだ――撃(ぶ)ち処(どこ)が悪かったと見えて、直に往生(まい)って了った。人間の命は脆(もろ)いものさ……見給え、この虫の通りだ」
「ははははは」と源は愚かしい目付をして、寂しそうに笑って、「万一、その女が死にでもしたら、先生、奴さんの方はどうなりやしょう」
「そりゃあ君、知れきってる話さ。無論、捕(つかま)らあね。人を殺して置いて自分ばかり助かるという理屈はないからな」
「ははははは」
源は反返(そりかえ)って笑いました。人間は時々心と正反対(うらはら)な動作(こと)をやる――源の笑いが丁度それです。話好な書記は乗気になって、
「あの子についちゃ実にかわいそうな話があるんでね。私はお隅さんを見ると、罅痕(ひびたけ)の入った茶椀(ちゃわん)を思出さずにいられやせんのさ。