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Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうしゅじん

旧主人・芽生

島崎 藤村

Lesen Sie 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.813 Zeichen · 302 Bildschirme

Aozora Bunko

としてありましたそうです。父親は無学な娘の手紙を読んで、その上に熱い涙を落しましたとのこと。

「という訳で」と書記は冷くなった酒を飲干して、「ところが同僚は極の好人物(ひとよし)だもんだで、君どうでしょう、泣寝入さ。私は物数寄(ものずき)にその番人を見に行きやした。丁度、直江津の二番が上って来た時で、その男が饅頭笠(まんじゅうがさ)を冠って、踏切のところに緑色の旗を出していやしたよ。え――君はその番人をどんな男だと思うえ。せめて年でも若いのかと? へへへへへ、いやはや大違い。私も魂消(たまげ)たねえ、まあ同僚と同い年位の爺(おやじ)じゃないか」

源は蒼くなって、炉に燃え上る楢の焚火(たきび)を見入ったまま。

「それから一月ばかり経って」と書記は思出したように震えながら、「私は一度あの子に行逢ったがね、その時のお隅さんは――へえもう、がらりと変っていやしたよ。蟀谷(こめかみ)のところへ紫色の頭痛膏(こう)なんぞを貼(は)って、うるんだ目付をして、物を思うような様子をして、へえ前の処女(おぼこ)らしいところは少許(ちっと)もなかった。私があの子を見ると、罅痕(ひびたけ)の入った茶椀を思出すと言ったは、こういう訳でさ。