Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

きゅうしゅじん

旧主人・芽生

島崎 藤村

Lesen Sie 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.813 Zeichen · 302 Bildschirme

Aozora Bunko

とうとう私は何もかも打明けて申上げましたのです。急に旦那様は御顔色を変えて、召上りかけた牛乳を御机の上に置きながら、

「むむ、分った、分った。お前の言うことは能く分った」

と寂しそうに御笑なすって、湧上がる胸の嫉妬を隠そうとなさいました。御顔こそ御笑なすっても、深い歎息や玻璃盞を御持ちなさる手の戦慄ばかりは隠せません。やがて、一口召上って、御独語のように、

「然し、元はと言えば乃公の過りさ。あれが来てから一年と経たない内に、もう乃公は飽いて了った。その筈だろう――あれとは年も違い、考も違う。まるで小児も同然だ。そんな者と話の合いようが無かろうじゃないか。噫、年甲斐もない、妻というものは幾人でも取替えられる位の了見でいたのが大間違。二度目となり、三度目となれば、もう真実の結婚とは言われない。若いうちから長く一緒に居たものは、自分の経歴も知っていてくれるし、自分の嗜好も知っていてくれるし……。お前が乃公のとこへ来てくれた時分は、乃公もあれを喜ばせたいばっかりに事業をした。この節はあれを忘れよう……忘れようで事業をしているのだ。あれの不埓は乃公も薄々知ってはいた。