Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.172 Zeichen · 36 Bildschirme
働かないのは、一番目上で老齢である祖母と、幼いものたちだけだった。父も自分の床をあげてキチンとしまい、書斎の掃除まですることもあった。裁判所へ行く前に、多くの客が、二階へも階下へも、離れへも、それぞれ他人に聴かせたくない用をもって来るので、母は一時二時に寝ても、朝は五時かおそくも六時前には起きていた。
夏など、みんなが目ざめる前に、三味線の朝稽古をすまして来ようと、夜の白々あけに、縁の戸を一枚はずして庭へ出ると、青蚊帳のなかに、読みかけた本を、顔の上に半分伏せたまま眠っている母を見ると、母も本は読みたいのだなあと、たいへん気の毒な気がして、早く行って帰って来て、掃除やなにか手つだおうと思った。
二
朝夕に、腰を撫で、肩をもんであげた祖母は、八十八歳であたしの十五の春に死んだ。あたしを一番愛していたが、厳しいしつけでもあった。一ツ身を縫うにも、二度三度といて、縫い直しをさせるのだった。そういうことを恥かしがらないアンポンタンでも少々気まりの悪いこともあるし、教える人の方が、まだ小娘さんなのに、あんまりひどいと怒ることもあった。
ともかく、あたしの教育は、本を読ませないことというに、何時かきまってしまっていたが、まだしも祖母のいるうちは、あたしも小さくなっていたし、母たちも幾分祖母へ遠慮をしてい