Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.172 Zeichen · 36 Bildschirme

Aozora Bunko

たが、段々とあたしは知恵を出して来た。読み書きをするのに、母が労れて眠る時分をはかり、妹と二人寝る部屋の障子の方へは、屏風やら何やらで灯影をさえぎり、これでよしと夜中の時間を我がものがおに占領しだした。

ところが、洋燈の石油はへって、ホヤは油煙で真っ黒くなる上に、朝寝坊になって、父が怒って、冷水をあいている口へつぎ込むことなど、仕置きされることが重なってしまった。ある夜中には、寝たと思った母が部屋へはいって来て、大いに怒って父を呼び、父が優しくて見逃しているのだというので、父から楊弓をもって激しく折檻された。祖母のいるころでも、母が強く怒ると、姐さまのはいっている手箱も、書きものの手箱も、折角、かくして、ぽつぽつと溜めた本類も、みんな焚してしまわれたりしたが、そんなにしても、妹たちも好きだったので、いろいろな工夫をしてくれた。家にも何かしら読みものは多くあった。母が、浴衣ならば、家内が多いので、一度に十反くらいを積んで、縫えと出すと、もう家にいて縫うようになっていたので、静かな、なるべく母の目から遠い二階の部屋にあがって、それこそ朝の仕事も早くすませ、身じんまくも早くしてしまって坐る。