Japanische Klassiker mit Furigana
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わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
Lesen Sie 早稲田大学 (わせだだいがく) von 尾崎 士郎 (おざきしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.204 Zeichen · 220 Bildschirme
岩木には済まぬと思ったが足跡を晦ますためにはこういう機会をつかむよりほかに仕方がなかった。まだ時間は早いし、その足ですぐ昔馴染である愛宕下の植木屋を訪ね、そこの二階を当分の根城にして形勢を観望することにしたのである。
大隈改正案に対する反対の気勢はその頃から徐々に上下の輿論に反映してきた。各派の演説会は毎夜のように開かれるし、新聞の論調も次第に熱を帯び、反対の急先鋒である「東雲新聞」が幾度となく発売禁止の厄に遭って市中から影を没したと思うと、今まで鳴りをしずめていた「日本新聞」が急に正面から大隈外交の攻撃をはじめた。都下の論陣はようやく二つにわかれ、「報知」「朝野」「毎日」「読売」――等の政府擁護派に対抗する「東雲」「絵入自由」「朝日」「東京」「あづま」の論調は次第次第に激化してきたのである。
植木屋は老夫婦の二人ぐらしで、身を潜める場所にはもっともよかったが、大阪に茶屋奉公していた娘がかえってから近所の人たちの往来が頻繁になり、何処へ勤めているというわけでもないのに朝早く出ては夜おそくかえってくる来島の姿がだんだん人の噂にのぼるようになってきたので、彼は九月に入ると、神田美土代町にいる知人塚本忠七の二階に移ったが、ある晩、新富座で開かれた演説会のかえりみちで、刑事に尾行されてから急に身辺に不安をかんじ