Japanische Klassiker mit Furigana
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わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
Lesen Sie 早稲田大学 (わせだだいがく) von 尾崎 士郎 (おざきしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.204 Zeichen · 220 Bildschirme
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「何じゃ、それは?」。
「そこだよ、――おれは君を出し抜こうなぞと思っとるんじゃない、資格は君とおれと変るところはないが、おれが行けば拝謁を許されるわけがある」。
「それは何じゃ?」。
「――おれは学習院長だ、忝くも皇太子の御教育を仰せつかっているぞ」。
三浦の声はかすかに顫えている。谷も、気を呑まれたようにきょとんと眼を瞠っていたが、急に、
「そいつは」。
と言いながら不安そうな声で言った。「三浦、たしかに君の考えどおりだが、しかし、――もう一度考え直した方がいい」。
俯向いていた三浦が顔をあげた。
「考え直す余地はない、黒田と大隈が内閣にがんばっているかぎり、やるところまでやることは眼に見えている。大隈の息の根を止めない以上は御前会議を開いてもあいつはきっとがんばりとおすだろう、そうだとしたら、どんな非難を受けても上奏するよりほかに道はない」。
「うん」といったまま谷は黙ってしまった。三浦は咽喉にかすれるような低い声で、
「だから、――」。
ぐっと息を呑んだのである。「おれはもう覚悟をしている、――三浦にとってもこれが最後の御奉公になるじゃろう」。
一座が粛然としずまりかえった。