Japanische Klassiker mit Furigana
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わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
Lesen Sie 早稲田大学 (わせだだいがく) von 尾崎 士郎 (おざきしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.204 Zeichen · 220 Bildschirme
その足で昨日まで玉突屋だった「革新団本部」を訪ねると、二階の板敷の部屋は、二つならべてあった玉突台が片隅に押しやられ、小さなテーブルが幾つとなく階段の正面においてあった。
そのテーブルをかこんでいる一団の人たちの中には昔、野球部の選手だった若い教授の河野安通志や、大口松次郎の顔も見えた。大口はYクラスで、「モダン・ユーロープ」の講義をしている。彼は西方の顔を見るが早いか、
「待っていたよ、君」。
といって彼の肩をたたいた。「何しろ機先を制しなくっちゃ駄目だからね、君たちでひとつ学生を勧誘する遊説隊を組織してくれたまえ」。
どの顔にも精彩がみちみちている。もう一つ、うしろにある別のテーブルでは加藤清がうしろ向きになって、何かしきりに考えるような恰好をしながら、机の上にひろげた原稿用紙の上に何か書きつけている。浴衣の上から袴をはいた学生が一人、せかせかと階段を駈けのぼってきて加藤の机の上へ、小型の本を二、三冊、投げるようにおいた。「やっと、これだけ見つかりましたよ」。
彼はおつりだといって、袂の中から大小入りまざった銀貨をざらざらとテーブルの上へこぼした。