Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わせだだいがく

早稲田大学

尾崎 士郎

Lesen Sie 早稲田大学 (わせだだいがく) von 尾崎 士郎 (おざきしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.204 Zeichen · 220 Bildschirme

Aozora Bunko

そのとき大隈は両足をだらと前になげだしたまま、属官に運ばせたウイスキーをコップのまま呷りつづけていたが、高木を見ると、

「よう」。

と、片手をあげ、低い声で呼びかけた。「足よりも顔をやられたようだ」。

高木が顔をしらべてみると、火の粉を浴びたところだけが黒くなっていた。それも左の眼の下と頬骨のへんに、地ぶくれのしたような痕を残してはいるが、しかし火傷というほどのことでもなかった。彼はすぐ鋏でズボンを切り、傷口をしらべてみると、傷はくるぶしと下腿にあって、くるぶしの傷は腿の傷よりもふかく、骨が砕け肉が爛れて血があふれるように噴きだしている。外皮が紫色になっているところから察すると爆弾の破片が肉の中に喰い入っているらしい。その頃から大隈の顔は蒼白となり、しきりに苦痛を訴えるので、高木は足の上の部分を氷で冷やし、モルヒネの皮下注射をして、一時的な処置をした上で、大学病院からベルツ教授と佐藤進医師を呼び、急を聴いて宮廷から派遣された三人の侍医と相談の上、このまま片足を切断することに一決した。傷口は繃帯で巻いてあったが、血はソファーの下にある絨氈の上に止め度もなく滴り落ちていた。