Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.951 Zeichen · 51 Bildschirme

Aozora Bunko

さよなら」

★

虎之介は翌日早朝、例の如くに竹の包皮をぶらさげて氷川の海舟を訪問していた。この大隠居はいつも在宅してくれるから、こういう時には都合がよい。

海舟は日本近代航海術の鼻祖、その壮年期は航海術が本職だから、海のことには通じている。しかし昇龍丸の冒険奇譚には甚しく驚いた様子であった。くわしく話をきき終って、ナイフを逆手に暫時悪血をとっていたが、

「虎や。おキンというのは美人かえ?」

「海女には稀な、十人並をちょッと越えたキリョウ良しでございます。何せスクスクとまことに目ざましい体躯の女で」

「船長畑中、冒険心に富み、豪の者だが、心の弛みによって色慾に迷う。酒のなせる一時のイタズラ心だ。好漢惜しむべし。もう一歩控える心を忘れなければ、何事もなかったのだな。同席の男が揃って水夫どもの宴会室へ立ち去ったから、ムラムラと悪心を催した。おキンの私室を訪れて、これを手籠にしたのが運の尽きさね。八十吉はその心構え細心な潜水夫だから、ガサツな水夫どもの酔いッぷりは肌に合わなかったろう。おキンのことで何かにつけて水夫どもにからまれもしよう。長座に堪えがたかったのは当然だな。