Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ほしじょろう
星女郎
泉 鏡花
Lesen Sie 星女郎 (ほしじょろう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.344 Zeichen · 104 Bildschirme
へ離して、舳の立った形して、立山の波を漕がんとす。
境は可懐げに進み寄った。
「や!」
その門口に、美しい清水が流るる。いや、水のような褄が溢れて、脇明の肌ちらちらと、白い撫子の乱咲を、帯で結んだ、浴衣の地の薄お納戸。
すらりと草に、姿横に、露を敷いて、雪の腕力なげに、ぐたりと投げた二の腕に、枕すともなく艶かな鬢を支えた、前髪を透く、清らかな耳許の、幽に洩るる俯向き形、膝を折って打伏した姿を見た。
冷い風が、衝と薫って吹いたが、キキと鳴く鼬も聞えず、その婦人が蝦蟇にもならぬ。
耳が赫と、目ばかり冴える。……冴えながら、草も見えず、家も暗い。が、その癖、件の姿ばかりは、がっくり伸ばした頸の白さに、毛筋が揃って、後れ毛のはらはらと戦ぐのまで、瞳に映って透通る。
これを見棄てては駆抜けられない。
「もし……」
と言いもあえず、後方へ退って、
「これだ!」
とつい出た口許を手で圧える。あとから、込上げて、突ぱじけて、
「……顔を見ると……のっぺらぼう――」
と思わずまた独言。我が声ながら、変に掠れて、まるで先刻の山伏の音。
「今も今、手を掉った……ああ、頻りに留めた……」