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Japanische Klassiker mit Furigana

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ほしじょろう

星女郎

泉 鏡花

Lesen Sie 星女郎 (ほしじょろう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.344 Zeichen · 104 Bildschirme

Aozora Bunko

なお前途の空を視め視め、かかる日の高い松の上に、蝉の声の喧しい中にも、塒してその鵲が居はせぬかと、仰いで幹をたたきなどして、右瞻左瞻ながら、うかうかと並木を辿る――大な蜻蛉の、跟をつけて行くのも知らずに。

やがて樹立が疎らになって、右左両方へ梢が展くと、山の根が迫って来た。倶利伽羅のその風情は、偉大なる雲の峯が裾を拡げたようである。

処へ、横雲の漾う状で、一叢の森の、低く目前に顕われたのは、三四軒の埴生の小屋で。路傍に沿うて、枝の間に梟の巣のごとく並んだが、どこに礎を据えたとしもなく、元村から溢れて出たか、崖から墜ちて来たか、未来も、過去も、世はただ仮の宿と断念めたらしい百姓家――その昔、大名の行列は拝んだかわりに、汽車の煙には吃驚しそうな人々が住んでいよう。

朝夕の糧を兼ねた生垣の、人丈に近い茗荷の葉に、野茨が白くちらちら交って、犬が前脚で届きそうな屋根の下には、羽目へ掛けて小枝も払わぬ青葉枯葉、松薪をひしと積んだは、今から冬の用意をした、雪の山家と頷かれて、見るからに佗しい戸の、その蜘蛛の巣は、山姥の髪のみだれなり。

一軒二軒……三軒目の、同じような茗荷の垣の前を通ると、小家は引込んで、前が背戸の、早や爪尖あがりになる山路との劃目に、桃の樹が一株あり、葉蔭に真黒なものが、牛の背中。