Japanische Klassiker mit Furigana
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はる
春
小川 未明
Lesen Sie 春 (はる) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.691 Zeichen · 6 Bildschirme
「なにか、楽しいことがないものかなあ。」と、おじいさんは、つくねんとすわって、考え込んでいました。
こう思っているのは、ひとり、おじいさんばかりでなかった。町の人々は思い思いにそんなことを考えていたのです。しかし、しあわせというものは、不幸と同じように、いつだれの身の上へやってくるかわからない。ちょうど、それは風のように、足音もたてずに近づくものでした。また、だれもかつて、しあわせの姿というものを見たものはなかったでしょう。
こうして、たくさんの人たちが、てんでに自分の身の上にしあわせのくるのを待っていました。
「しあわせは、いま、どこを歩いているかしらん……。そしてだれのところへ、やってくるかしらん……。」
こう考えると、まったく、不思議なものでした。そして、このしあわせにも、大きなしあわせと小さなしあわせとあったことは、むろんです。けれど、ダイヤモンドは、いくら小さくても美しく、光るように、それが、たとえ、小さなしあわせであっても、その人の一日の生活を、どんなにいきいきとさせたかしれません。
おじいさんは、なにか楽しいことがあるのを待っていました。