Japanische Klassiker mit Furigana
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きのう・きょう・あす
昨日・今日・明日
織田 作之助
Lesen Sie 昨日・今日・明日 (きのう・きょう・あす) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.018 Zeichen · 24 Bildschirme
おまけに、勝って威張るのは月並みで面白くないというので負けそうになってから、ますます威張り出しやがった。負けながら威張るのが、最大の威張り方だと、やに下っているんだろう。もっとも戦局がこうなって来れば、もう威張るよりほかに、存在の示し方がないと思ってるんだろう。――俺は兵隊として、蓄音機の侮辱を我慢するが、人間としてもう我慢できない。赤井、君は我慢できるか」
「いや、出来ん。あいつは、今日半日のうちに、俺のことを、七通りの呼び方で呼びやがった。「おい、屑!」「おい、蠅!」「おい、南京虫!」「おい、蛆虫!」「おい、しらみ!」「おい、百足!」「おい、豚!」――何をぬかしやがるんや。俺が豚やったら、あいつは、豚もあいつを見たら反吐をはく現糞の悪い奴ちゃ」
ひょうきんな、落語家らしい言い方だったが、言っているうちに、赤井も次第に昂奮して来て、
「白崎はん、あんた蓄音機を撲るんやったら、俺も撲る! さア、行きまひょ。撲りに」
「よし、行こう!」
二人は血相を変えて、隊へ帰って行った。そして、隊長の部屋へ、ものも言わずにはいって行った。
が、隊長はいなかった。
「おい、隊長はどこだッ? 隊長はどこだッ? 蓄音機はどこだッ?」