Japanische Klassiker mit Furigana
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とけいとまどのはなし
時計と窓の話
小川 未明
Lesen Sie 時計と窓の話 (とけいとまどのはなし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.803 Zeichen · 10 Bildschirme
「そんなことをいうと、笑われるよ。標準時にあわせてあるので、ラジオのほうがいつも正しいのだ。この時計をみがきにやって、長くかかったのも、そんなことだったろう。……時計屋では、下へ落としたことがないかといっていたから。それでなくても、長い間には機械がすれて、くるいがくるので、もう、昔のように、直らないかもしれない。」
こう、聞くと、私のいままでのほこりと喜びは、たちまちきえてしまいました。しかし父はこういったけれど、まだ時計に対して、いくらか未練を持っているようでした。
「時間が正確でなければ、家宝でも、なんでもありませんね。」と、ぼくがいうと、父は、
「しかたがない。なんにでも、寿命というものが、あるからな。」と、さびしそうに、いいました。
「このごろは、日本でも、いい時計ができるから、そのうち、新しいのを買ってやる。」と、いって、さすがに、父は、いつまでも価値のないものに、こだわるようすはなかったのです。
私は、あまり、あきらめのいいのを、かえってものたりなくさえ感じました。
「おかあさんも、平和な感じのするいい時計だとおっしゃったが、ほんとうにおしいことですね。