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Japanische Klassiker mit Furigana

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じげんばくだんきたん

時限爆弾奇譚

海野 十三

Lesen Sie 時限爆弾奇譚 (じげんばくだんきたん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.934 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

すなわち、

二、ソノ色、黒褐色ノ水甕ニシテ、底ヲ逆ニスルト、赤キ「ペンキ」デ4084ノ数字ガ記サレタルモノ。

さあ、たいへん。水甕は、たいていどこの家にもある。ましてや水甕の色となると、鮮かなる赤や青や黄などのものはなくて、たいてい黒ずんでいる。博士は多分その水甕を特別の二重底にし、そこに爆弾を仕かけておいたものであろうが、そうなると、どの家でもそのままにして置けない。水甕という水甕は、その場で逆さにひっくりかえされた。そのために、そこら中は水だらけと相成り、水は集り集って、租界を洪水のように浸してしまった、本当の話ですよ。

空になった甕は、いずれも毛嫌いされて、家の中には再び入れてもらえず、一旦は公園の中に持ちこまれて、甕の山を築いたが、万一この甕の山が爆発したら、あの刃物のような甕の破片が空高くうちあげられ、四方八方へ、まるで爆弾と同じ勢いで落ちてくる虞れがあるというので、これではならぬと、また今度は、皆して、えっさえっさと甕をかついで黄浦江の中へ、どぶんどぶんと沈める競争が始まった。なにしろ、いくら赤いペンキで数字が書かれたとて、もう既に十五年も経過しているのであるから、とても文字の痕がさだかなりとは思われず、さてこそそのさわぎも大きくなった次第である。