Japanische Klassiker mit Furigana
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あんごうレコードじけん
暗号音盤事件
海野 十三
Lesen Sie 暗号音盤事件 (あんごうレコードじけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.583 Zeichen · 24 Bildschirme
私は室内をぶらぶら歩きはじめた。それから心を落ちつけ、目を皿のようにして、室内の什器を一つ一つ見ていった。その間に、白木の撃ちだす銃声が、しきりに私の心臓に響いた。
「あっ、これかな……」
私は、思わずそう叫んだ。暖炉の上においてある音叉をとりあげた。それは非常に振動数の高いもので、ガーンと叩いても、殆んど振動音の聴えぬ程度のものだった。しかしその音叉にも別に異状はなかった。
「これも駄目か。が――、待てよ」
そのとき私は、メントール侯が、いつも音叉をもちあるいて、相手に歌をうたわせながら、音叉をぴーんと弾いて耳を傾けていたことを思い出した。と同時に、私は一種の霊感ともいうべきものを感じて、再び蓄音機の傍によって音盤をかけてみたのであった。
蓄音機は再び美しいメロディーを奏ではじめた。――私は、その傍へ音叉を持っていって、ぴーんと弾いてみた。蓄音機から出てくる音楽と、音叉から出る正しい振動数の音とが互に干渉し合って、また別に第三の音――一種異様な唸る音が聴えはじめたのであった。が、それはまだ成功とはいえなかったけれど、白木の奮戦に護られながら、これをくりかえしていくうちに、私は遂に凱歌をあげたのであった。