Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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つきとあざらし

月とあざらし

小川 未明

Lesen Sie 月とあざらし (つきとあざらし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.817 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

やはり、風が寒く、雲は低く氷山をかすめて飛んでいました。

はたして、哀れなあざらしは、その夜も、氷山のいただきにうずくまっていました。

「さびしいか?」と、月はやさしくたずねました。

このまえよりも、あざらしは、幾分かやせて見えました。そして、悲しそうに、空を仰いで、

「さびしい! まだ、私の子供はわかりません。」といって、月に訴えたのであります。

月は、青白い顔で、あざらしを見ました。その光は、憐れなあざらしの体を青白くいろどったのでした。

「私は、世の中のどんなところも、見ないところはない。遠い国のおもしろい話をしてきかせようか?」と、月は、あざらしにいいました。

すると、あざらしは、頭を振って、

「どうか、私の子供が、どこにいるか、教えてください。見つけたら知らしてくれるといって約束をした風は、まだなんともいってきてはくれません。世界じゅうのことがわかるなら、ほかのことはききたくありませんが、私の子供は、いまどこにどうしているか教えてください。」と、あざらしは、月に向かって頼みました。

月は、この言葉をきくと黙ってしまいました。なんといって答えていいか、わからなかったからです。