Japanische Klassiker mit Furigana
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あさおきのひとたち
朝起の人達
佐々木 邦
Lesen Sie 朝起の人達 (あさおきのひとたち) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.511 Zeichen · 14 Bildschirme
と先方から言葉をかければ、
「勉強ですな」
と此方も応じる。こんなことを続けていると、又彼等の中から知己が現れないものでもない。現に頼みもしない新聞を頻りに投げ込む奴がある。ツラ/\観察するに朝早く起きる人達は大抵貧乏のようだ。公園の連中にしても金持らしいのは絶無に近い。最初私のステッキに多大の敬意を表した老人とその後顔馴染みになったが、この人丈けは豊かな家の御隠居さんらしく、好い服装をしている。それだからあんなに怖がったのだろう。他の常連に至っては身ぐるみ剥いでも浴衣一枚だ。
「家に寝ていて蚤の餌食になるよりも、こゝへ来てお日さまを拝む方がいくら宜いか知れませんよ」
「昨今急に出ましたね。私のところはバラックだから南京虫もいるようです」
なぞと心細いことを言っている。自然に憧れるよりも蚤や南京虫を恐れるのらしい。そんな昆虫が跋扈してゆっくり寝られないような家は決して富裕と呼べない。して見ると、朝起が人を富裕ならしめるのでなくて、元来富裕でないから朝起をして丸山へ登る勘定になる。健康の点からいっても彼等は皆夫れ/″\故障を持っている。不景気の貧乏話に次いでは天気と病気の話を好む。