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Japanische Klassiker mit Furigana

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きそがわ

木曾川

北原 白秋

Lesen Sie 木曾川 (きそがわ) von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.659 Zeichen · 52 Bildschirme

Aozora Bunko

鷹です」

冷気一道に襲って、さすがに蘇川は深山幽谷の面影が立った。

「身動きもしないんだね、船が下を通っても」

私は驚いたのである。

心音の動悸が止まぬのに、またしても一羽、右手の駱駝岩の第一の起隆の上に、厳然としてとまっている。相対した上の鷹、おそらくはつがいであろう。

いいものを見たと私は思った。野猿の声こそは聞けなかったが、それにも増して私は偶然の、時の恩寵を感じずにはいられなかった。

私は幾度も幾度も振返った。

激湍、白い飛沫の奔騰する観音の瀬にかかって、舟はゆれにゆれて傾く。

鷹は絶壁の遥に黒く、しかも確実に二個の点として厳としている。小さく小さくなる。一個は消えても、一羽の英姿はいつまでもいつまでも残ってみえる。その向うの空のぬれた黝朱の乱雲、それがやがては褐となり、黄となり、朱に丹に染まるであろう。日本ラインの夕焼けにだ。

あ、白帝城が見え出した。

香木峡から四十分、彩雲閣の河原に着いて、上ると、その白帝園のカンツリー・クラブの前へ、無料休憩所の方から、驚いたスピードで大型の昆虫の黒に藍の自動車がはしって来た。ハンドルを両手に、パナマを阿弥陀に頭の毛を振り振り、例の快活な笑いの持ち主だ。