Japanische Klassiker mit Furigana
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きそがわ
木曾川
北原 白秋
Lesen Sie 木曾川 (きそがわ) von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.659 Zeichen · 52 Bildschirme
四
「とにかく、よくこれまでにやりとおして来た、見あげた」と私も微笑した。然し、これからが大事である。形式が精神を超えると名利の家となる。「素峰、これからやかましくいうぞ」と私は笑った。
私たちは桑畑と松林の間を木曾川の左岸に出た。また松林があった。テントと投水台と。
西には養老の山脈、遥には伊吹山、北には鉄橋を越えて、岐阜の金華山、幽かに御岳。つい水の向うが四季の里の百日紅。
「さあ、これから帰って一杯差上げますで」とその老主人公がさっさと踵をめぐらした。
藤棚の多い四季の里の一夜の饗宴には土地の警察署長や農会長、旧知の歌人の黙々子などが加わった。私たちは幾度か庭の茶亭から茶亭へ席を代え代えした。夜がふけて私はたったひとりで仰向きに胸や腹をつん出して眠りころげている隆太郎の蚊帳にもぐりこんだ。そうして、そのでっかちな毬くり頭をはずれた枕へ持ちあげ、借着の寝衣の前を深く深く合せてやると、そのままぐっすりと眠ってしまって、すぐと河霧の白い白い夜あけが来た。
私たちはその翌日、養老へ立った。そこで二泊、名古屋に引き返して一泊、それから恵那へ行った。
四
八月十二日、午後五時。