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Japanische Klassiker mit Furigana

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きそがわ

木曾川

北原 白秋

Lesen Sie 木曾川 (きそがわ) von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.659 Zeichen · 52 Bildschirme

Aozora Bunko

と私は声をかけた「そうかなも、気の強いお子はんやなも」

二階には上ったが、隆太郎余憤が晴れないと見えて、窓の障子紙をぴりぴりぴりと裂き初める。だが、こちらは堆く持って出された画帖や色紙や短冊をそうはばりばりとやる訳にはゆかない。

少憩の後、私たちは立ち上った。対岸の雀のお宿を訪ねようというのである。

「お坊っちゃん、早くお帰り、今夜はわたしがだいてあげるぞなも」

「いやだ、僕、北原白秋と寝るんだ」

「へへえ、この子はん、変ってやはりますなあ」

自動車が走り出した。

雀のお宿の素峰子は、自ら行乞子と称している。かつては書店の主人であったが、愛妻の病没により、哀傷の極は発願して、奮って無一物の真の清貧に富もうと努めた。一灯園にもはいった、その木曾川橋畔に現在の学園を創立するまでの辛苦は並々でなかったらしい。ただこうした事業は気を負いやすいものである。過ぎれば俗情の禍が来る。童ヶ丘がどれほどの童ヶ丘になりきたったか。この機会に親く観て置きたいと私は思ったのである。

雀のお宿の位置は笠松の対岸になる。低い砂丘のその松原は予想外に閑寂であった。松ヶ根の萩むら、孟宗の影の映った萱家の黄いろい荒壁、機の音、いかにも昔噺の中の鄙びた村の日ざかりであった。