Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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すえっこ

末っ子

山本 周五郎

Lesen Sie 末っ子 (すえっこ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.564 Zeichen · 55 Bildschirme

Aozora Bunko

父は居間で書きものをしていた。平五が坐るとこっちへ向き直ったが、その顔を見ただけで、ひどく怒っていることがわかった。

「短刀をどうした」と玄蕃はいきなりどなった。

平五はまごつき、「なんですか」とそらを使おうとした。

「ごまかしてもだめだ、正宗の短刀を持っているだろう、ここへ持って来い」

「どうして、いや、どうなさるんですか」

「きさまなどの持つ品ではない、おれが預かるから持って来いというのだ」

平五は口ごもって、云った、「それはちょっと困ります、あれは新庄の叔父さんのものですし、それに」

「黙れ」と玄蕃はどなった、「きさまのしたことはすっかりわかっている。主殿がなにもかも話していったぞ、この、このしれ者、きさま呆れ返ったしれ者だぞ、いいからまず短刀を持って来い」

平五は黙っていた。

「きさまが持っていることに紛れはない」と玄蕃はなお云った、「おれは研ぎの結果が知りたいから平河町へいった、すると新庄へ返したというので主殿を呼んだのだ。主殿はすっかり話をして、持ち帰ったのはきさまだろうと云った、それに相違ないだろう」

平五は怒りのために胸が熱くなった。

――なんというなさけない人だ。