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Japanische Klassiker mit Furigana

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いなかがえり

林芙美子随筆集

林 芙美子

Lesen Sie 林芙美子随筆集 (いなかがえり) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 58.157 Zeichen · 118 Bildschirme

Aozora Bunko

背中の赤ん坊は、老人のようにしぼんで小さくみえました。ここで生れた赤ん坊なのかしらと、わたしは、世間の赤ん坊のように、何の祝福も、何の歓待も享けていない、淋しい赤ん坊のために、この若いお母さんは背中の赤ん坊にどんな償いでもしなければならないだろうと、わたしは、異常な生涯を持つ、この小さい赤ん坊の為に、ふっと、その女のひとに怒ってみるような気持ちも心に走って来ました。だけど、壁の黒板には、涙は人生を救うと書いてあります。

わたしは、一ヶ月ほどして出て行く、この淋しい親子が、もう社会でけっして不幸でないようにと祈る気持ちでした。

昔の八百屋お七の世界から、女性の放火と云うものは、何となく激しい熱情的なものを感じさせますが、女の罪名にも、強盗なんて云うのは聞いても怖い感じです。統計のなかにも、二十歳未満の少女に強盗と云うのが一人ありました。わたしは吃驚して、どんな風な少女なのでしょうと訊いてみました。

「まだ、ほんの子供みたいな娘で、由井正雪の講談本を読んで、何となく人を驚かしてみたく、夜明けに村の家へ庖丁を持ってはいったのですよ」

そんな風のことを教誨師の方が云っていましたけれど、わたしは、春のめざめの頃に感じる逞しい空想力を、どんなにしても堪え忍ぶことの出来なかった自分の少女の頃のことをふっとおもい出すの