Japanische Klassiker mit Furigana
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ざくろ
柘榴
山本 周五郎
Lesen Sie 柘榴 (ざくろ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.342 Zeichen · 25 Bildschirme
――だがみごとに失敗した。焦る余りに眼が眩んで、取返しようのない失敗をした。恐らくこれが松室家の辿るべき運命だったのだろうと思う。自分は退国して身の始末をつける。真沙には詫びのできることではない。だから赦して呉れとは云わずに去るが、ただゆくすえ仕合せであるように祈ることだけは許して貰いたい。真沙のためには本当に悪いめぐりあわせだった。どうか一日も早くこの不幸ないたでから立直って呉れるように。
凡そこういう意味のことが書いてあった。
真沙はその手紙をすぐに焼いた。そのときの彼女にとっては、武士たる者が妻を仕合せにするために身を誤ったという、めめしいみれんな言葉に肚が立ったのと、これで自分は解放されるという気持の安らぎとで、短い文章に籠められた哀切の調子などは、まったく眼に入らなかったのであった。……朝食を済ませるとすぐ、真沙は着替えをして戸沢中老の屋敷を訪ねた。数右衛門は話を半ばまで聞いたが、あわただしく家士を呼んで、追手の手配をするように命じた。
「両街道へ馬でやれ。雪を利用して山を越えるかも知れぬ。針立沢へも追手をかけろ」数右衛門は激しい言葉でこう云った。