Japanische Klassiker mit Furigana
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かきいろのかみふうせん
柿色の紙風船
海野 十三
Lesen Sie 柿色の紙風船 (かきいろのかみふうせん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.032 Zeichen · 28 Bildschirme
そのまま幾日も抛って置いた。無論一滴の水も与えはしなかった。だから彼は遂に飢餓と寒さのために死んでしまったのだった。
私は彼の身体の冷くなるのを待って縄を解いた。そして素裸にすると全身を改めた。そのときあの左肋骨下の潰瘍を発見したのだった。
「そうら見ろ。貴様がラジウムの在所を喋らずとも、貴様の身体がハッキリ喋っているではないか。ざまァ見やがれ」
私は早速彼の左のポケットの底を探って、とうとう目的のラジウムを引張り出したのだった。無論彼が白状せずともこのラジウムの力で、彼の身体の上に遠からずして潰瘍が現われるだろうことを私は初手から勘定に入れていたのだった。
だが私も詰らんことから人殺しをしてしまった。今は後悔している。あのラジウムは、未だにそのまま持っている。それを金に換えるためと、そして私の新しい世界を求めるため、今夜私は日本を去ろうとしている。多分永遠に日本には帰って来ないだろう。私はあれを金に換えた上で、赤い太陽の下に、花畑でも作って、あとの半生をノンビリと暮らすつもりである。