Japanische Klassiker mit Furigana
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とうりんどうのさとうづけ
桃林堂の砂糖づけ
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 桃林堂の砂糖づけ (とうりんどうのさとうづけ) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.306 Zeichen · 5 Bildschirme
しもたや風の表も、なかなか感じがよい。
奥の座敷に通された一行の目の前には、簡素な庭があって、立派なザボンの木が一本繁っていた。大きいザボンがたくさんなっていた。
サラ・リイの主人は、窮屈そうに、畳の上に坐り、初対面の挨拶をした。抹茶をすすめながら、この家の主人は、いろいろと、この自家製の砂糖づけの苦心を語り出した。
材料は、いちじく、杏、金柑、グレープ・フルーツの皮など、果物はもちろんであるが、その他にも、野菜に重きをおいているそうである。一番苦心をするのは、自然の香気を、いかに保存するかという点で、それには、何よりも新鮮さが肝腎であった。香気はもちろんのこと、色にも一切人工のものは加えない方針なので、頼るところは、品質と新鮮さだけである。
野菜は、蕗、茄子、人参、セロリー、蓮根、わらびなど、ほとんど全部の野菜を、砂糖づけにしているが、旬の時期は、一カ月くらいしかない。果物の方も同じことである。一番困るのは、この点であって、一定の材料がごく短期間しか供給されないのでは、工業生産の方式は採れない。従って、いつまでも家内工業の域を脱することができないのである。