Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さくらじま

桜島・日の果て・幻化

梅崎 春生

Lesen Sie 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 169.810 Zeichen · 345 Bildschirme

Aozora Bunko

町も変ったね」

「どぎゃん風に?」

「何だか歯切れの悪いお菓子を食べているような気分だったな。ちょっと――」

彼は半身をひねりながら言った。

「言って置くけれど、無断でおれに乗らないで呉れよな」

「乗るもんですか。いやらしか」

女は邪慳に彼の体を元に戻した。冗談を言ったと思ったらしい。

「乗せたかとなら、他んひとば捜しなっせ」

「そ、それはかん違いだよ」

五郎は弁明した。指圧されながらそう言われると、乗せたい気持がないでもなかった。

「乗るというのは、またがるという意味じゃない。上に立つということだ。湯之浦で、それをやられたんだ。ふと見ると、あんまの顔が天井に貼りついていた」

その時障子がたたかれて、別の女中が入って来た。盆の上に電報と電信為替が乗っている。五郎は起きて、電報を開いた。

『明日そちらに行くから、宿屋で待機せよ。外出するな』

そんな意味の電文があった。差出人は三田村である。為替の金額は、二万円だ。五郎は二度三度、電文を読み返して思った。

〈はれものにさわるような文章だな〉

「よか部屋があきましたばい――」

老女中は言った。

「お移りになりますか?」

五郎はその問いを黙殺した。