Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さくらじま

桜島・日の果て・幻化

梅崎 春生

Lesen Sie 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 169.810 Zeichen · 345 Bildschirme

Aozora Bunko

侘びしい感慨を伴って、妓の貧しい肉体の記憶がそれに続いた。

(此の感傷によりかかり、そして気持を周囲から孤立させる、此の方法以外に、私の此のいら立ちをなだめる手があろうか?)

もはや、私の青春は終った。桜島の生活は、既に余生に過ぎぬ。自然に手に力が入り、揃えた毛布を乱暴に積み重ねると、私は服を着け、洞窟を出て行った。午後の烈しい光線が、したたかに瞼に滲みわたった。丘の上に登ってみようと思った。

石塊道を登り、林を抜けると、見張所であった。栗の木の下には、此の前と同じ見張の男が立っていた。私を認めると、かすかに笑ったようであった。何となく元気が無いように見えた。

「また来ましたね」

うなずきながら、私は見張台に立ち、四周を見渡した。心の底まで明るくなるような、炎天の風景であった。

積乱雲が立っていた。白金色に輝きながら、数百丈の高さに奔騰する、重量ある柱であった。その下に、鹿児島西郊の鹿児島航空隊の敷地が見え、こわれた格納庫や赤く焼けた鉄柱が小さく見えた。黒く焼け焦れた市街が、東にずっと続いていた。市街をめぐる山々は美しく、鮮かな緑に燃え、谷山方面は白く砂塵がかかり、赤土の切立地がぼんやりとかすんでいた。