Japanische Klassiker mit Furigana
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かんおけのはなよめ
棺桶の花嫁
海野 十三
Lesen Sie 棺桶の花嫁 (かんおけのはなよめ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.845 Zeichen · 86 Bildschirme
杜は痛心を圧えることができないままに、それからズンズン一人で歩きだした。
橋桁を渡って、本所区へ――
そして彼は当途もなく何処までもズンズン歩いていった。まるで天狗に憑かれた風のように速く――。
7
「よう、あんたァ、――」
と、お千が追いすがるようにして、後方から声をかけた。
「……」
杜はお千の声を聞いてピクンとした。しかし振り向き返りもしないで、相変らず黙々としてズンズン歩いていった。
「よう、何処まで行くのさあ。――」
それでも彼は黙って歩みつづけた。
するとお千がバタバタと追いついてきて、彼の腕をとらえた。
「こんな方へ来てどうするの。柳島を渡って千葉へでも逃げるつもりなのかネ」
でも、彼は執拗に黙っていた。お千は怒りを帯びた声で、
「チョッ」と舌打をし、彼の腕を邪険にふり解いた。
「なんだい、面白くもない。黙って見ていりゃ、いい気になってサ。いくら年が若いたって、あのざまは何だネ。あんな乳くさい女学生にゾッコン惚れこんで、手も足も出やしないじゃないか。あたしゃ横から見ていても腹が立つっちゃない。お前さんはなかなかしっかりもんだと思って、あたしゃ前から――イエ何さ、しっかりした人だと思ってたのさ。