Japanische Klassiker mit Furigana
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しょくぶつちしき
植物知識
牧野 富太郎
Lesen Sie 植物知識 (しょくぶつちしき) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.784 Zeichen · 86 Bildschirme
水仙花の花筒の内部には、黄色の六雄蕊があり、花筒の底からは一本の花柱が立って、その柱頭は三岐しており、したがって子房が三室になっていることを暗示している。そして花下の子房の中には、卵子が入っている。それにもかかわらず、この水仙には絶えて実を結ばないこと、かのヒガンバナ、あるいはシャガと同様である。けれども球根で繁殖するから、実を結んでくれなくっても、いっこうになんらの不自由はない。そうしてみると、水仙の花はむだに咲いているから、もったいないことである。ちょうど、子を生まない女の人と同じだ。
水仙は花に伴うて、通常は四枚、きわめて肥えたものは八枚の葉が出る。草質が厚く白緑色を呈しているが、毒分があるから、ニラなどのように食用にはならない。地中の球根を搗きつぶせば強力な糊となり、女の乳癌の腫れたのにつければ効くといわれる。
元来、水仙は海辺地方の植物であって、山地に生える草ではない。房州〔千葉県の南部〕、相州〔神奈川県の一部〕、その他諸州の海辺地には、それが天然生のようになって生えている。これはもと人家に栽培してあったものが、いつのまにかその球根が脱出して、ついに野生になったもので、もとより日本の原産ではない。