Japanische Klassiker mit Furigana
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しょくぶつちしき
植物知識
牧野 富太郎
Lesen Sie 植物知識 (しょくぶつちしき) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.784 Zeichen · 86 Bildschirme
花
ボタン
暑い夏に鳴きつづけている蝉は雄蝉であって、一生懸命に雌蝉を呼んでいるのである。うまくランデブーすれば、雄蝉は莞爾として死出の旅路へと急ぎ、憐れにも木から落ちて死骸を地に曝し、蟻の餌となる。
しかし雌蝉は卵を生むまでは生き残るが、卵を生むが最後、雄蝉の後を追って死んでゆく。いわゆる蝉と生まれて地上に出でては、まったく生殖のために全力を打ち込んだわけだ。これは草でも、木でも、虫でも、鳥でも、獣でも、人でも、その点はなんら変わったことはない、つまり生物はみな同じだ。
われらが花を見るのは、植物学者以外は、この花の真目的を嘆美するのではなくて、多くは、ただその表面に現れている美を賞観して楽しんでいるにすぎない。花に言わすれば、誠に迷惑至極と歎つであろう。花のために、一掬の涙があってもよいではないか。
花
ボタン
ボタン、すなわち牡丹は中国の原産であるが、今は日本はもとより西洋諸国でも栽培している。
だれでも知っているように、きわめて巨大な美花を開くので有名である。今その栽培してあるものを見ると、その花容、花色すこぶる多様で、紅色、紫色、白色、黄色などのものがあり、また一重咲き、八重咲きもあって、その満開を望むと吾人はいつも、その花の偉容、その花の華麗に驚嘆を禁じ得ない。