Japanische Klassiker mit Furigana
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なりひらぶんじひょうりゅうきだん
業平文治漂流奇談
三遊亭 円朝
Lesen Sie 業平文治漂流奇談 (なりひらぶんじひょうりゅうきだん) von 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.974 Zeichen · 317 Bildschirme
夏のことでございますから八畳の間へ一杯に蚊帳(かや)を釣りまして夫婦の寝る処がちゃんと極(きま)って居ります。娘お町は思掛(おもいがけ)ないことで、飯炊きの奉公に来ようと云ったのが嫁となり、世に類(たぐ)いなき文治郎のような夫を持つのは冥加(みょうが)に余ったことと嬉しいが一杯で、側へも寄ることが出来ず、行燈(あんどう)の側に蚊に食われるのも知らず小さくなって居ります。文治郎は蚊帳の中に風呂敷包を持って来ました。
文「お町/\」
町「はい」
文「此処(こゝ)へおいでなさい、其処(そこ)にいると蚊がさしていかない、なか/\蚊の多い処だから蚊を能く逐(お)うて這入んなさい、少しお前に話す事がある」
お町は嬉しゅうございますから飛立つ程に思いましたが、しとやかに扇(あお)いで、ずっと横に這入らぬと蚊が這入ります。これが行儀の悪いものはそうは行きません。ばた/\と扇いで立ってひょいと蚊帳をまくって這入りますから蚊が飛込んでいけません。蚊帳の中に這入りましても蒲団の上に乗りませんで蚊帳の側にぴったり坐って居ります。
文「此方(こっち)へ来なさい、縁あってお前は私(わし)の処に嫁に来ようというは実におもいきや、今日(こんにち)三々九度の盃をすれば生涯(しょうがい)死水(しにみず)を取合う深い