Japanische Klassiker mit Furigana
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がっきのせいめい
楽器の生命
小川 未明
Lesen Sie 楽器の生命 (がっきのせいめい) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.679 Zeichen · 8 Bildschirme
それから、幾たびも失敗して、長い間かかって、やっと、彼は、鉄と銀とを混合することによって、ついに、愉快な音色を出すことに成功しました。
彼は、この鉄と銀とからできた、一筋の線をオルガンの中に仕掛けました。すると、このオルガンは、だれがきいても、それは、愉快な音が出たのであります。
心を愉快にする、たとえば、いままで沈んでいたものが、その音を聞くと、陽気になるということは、たしかに、いままでの音楽とは、反対のことでした。これなら、どんな神経質な子供に聞かせても、また、気持ちのつねに滅入る病人が聞いても、さしつかえないということになりました。
けれど、ただ一つ困ることには、こうしたオルガンは、たくさん造られないことです。ただ一つの機械にはされなかったので、鉄と銀とで、できた一筋の線は、この音楽家の手で鍛えられるよりは、ほかに、だれも造ることができなかったからです。それは、火の加減にあったとばかりいうことはできません。まったく、この人の創作であったからであります。
ある日、金持ちのお嬢さんは、外国の雑誌でこのオルガンの広告を見ました。
無名の音楽家は、このりっぱな発明によって、すでに有名になっていました。