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Japanische Klassiker mit Furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.073 Zeichen · 223 Bildschirme

Aozora Bunko

「口をあけば藩家のおためといい、大義名分を押し立てながら、おのれの権勢や利欲にも貪婪に執着する、互いに相手の弱点をあばき、非難し中傷しあい、そうして国目付や老中へ訟訴しようとする、自分の我をとおすためには、藩の外聞などは考えもしない、六カ条のことも然り、大学非難のことも然り、仙台では国目付に訴状を出し、江戸では老中へ訴えて来る、家中の事を家中で処理しようとせず、ことごとに幕府の威を借りようとする、――原田」とつぜん雅楽頭は甲斐に呼びかけた、「一ノ関はそのほうを器量人として推すが、国老ともなったら考えなければならぬ、これまでのような不面目なことを繰り返してはならぬぞ」

「さよう心得るように致しましょう、しかし」と甲斐は静かに云った、「しかし、家中に起こった事を御老中に訴え出ることが、藩の外聞を思わぬ、不面目なしかたと仰しゃるのは、少しおぼしめし違いかと存じます」

雅楽頭の眼が光った、「申してみろ、なにが思い違いだ」

「御承知のとおり、陸奥守綱宗は御勘気をうけて、三年まえ逼塞に仰せつけられました、当時、私は評定役で、仔細のことは存じませんでしたが、綱宗の不行跡が公辺にまで聞えたとの評に、一門、一家、老臣ども合議のうえ、綱宗に隠居のおゆるしのあるよう願い出ました」