Japanische Klassiker mit Furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 148.519 Zeichen · 296 Bildschirme
このことを、初めによくたしかめておく、われわれが今後なにをするにせよ、忘れてならぬのはこの事実だ」
「そのことのほかに」と周防が云った、「涌谷さまとわれら、私と船岡とも、従来どおり疎遠の関係をつづけなければならぬと思います」
「むしろ不和な仲のようにだ」
「不和であるように致しましょう」
安芸は頷いて、云った、「では相談にかかるとしよう」
三人の相談は、半刻あまりかかった。
甲斐はなにも意見を云わず、二人の話しを聞き、打合わせた条件を認めただけであった。それが終って、もとの寝所へ戻ったとき、連子窓がほのかに白んでいた。寝所まで送って来た周防が、帰ろうとするのを、甲斐が呼びとめた。
「ちょっと坐ってくれないか」
「もう人の眼につく」
「ひと言だ」と甲斐は云った、「かれらが、特に松山と私に眼をつけていることは、わかっているな」
周防は頷いた。
「いま相談したことをやってゆくには、これまでのように単に不和をよそおっているだけではだめだ、もっとはっきりと、互いに離反しているかたちを、とらなければならないと思う」
「たとえば」
「ここでは云えない」と甲斐は云った、「手段を話したうえでやれば、計った離反だということは、かれらにもすぐわかってしまう、松山は松山で考えてくれ、私には私で手段がある」