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Japanische Klassiker mit Furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 148.519 Zeichen · 296 Bildschirme

Aozora Bunko

孤燈のかげ

――取詰めましょうか。

「使うことにしよう」

――仰せではございますが。

「いや、使ってみよう、あいつは役に立ちそうだ、ましてそこまで心服している六人を抱えているとすれば、これからいくらも使いみちはあるだろう」

――はあ。

「手当は求めて来たら呉れてやれ、申しつけたぞ」

孤燈のかげ

伊達安芸といっしょに、妻の律が帰国したあと、甲斐はかるい風邪にかかって、四五日籠居した。

九月二日に、仙台へ派遣される幕府の国目付(幕府から諸国へ出される監察使で、仙台は毎年二人、任期は半年であった)が、将軍の墨印を持って、伊達家の桜田本邸へ来た。国目付は津田平左衛門(幕府使番)柘植兵右衛門(同)という二人。墨印は将軍家綱の花押で、朱印より重いものである。亀千代は抱守にかかえられて、表広書院で二人に会い、墨印を受取った。これは、幕府が公式に、亀千代を伊達家の当主と認めたことになるので、伊達家では一藩こぞって安堵するとともに、祝いの宴を張った。

甲斐は「墨印受領」の席へも出なかったし、祝宴にも出なかった。

柴田内蔵介は早ければ十二月、おそくとも正月には出府する筈で、そうすれば甲斐は船岡へ帰ることができる。