Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 148.519 Zeichen · 296 Bildschirme

Aozora Bunko

を求めるわけであるが、これまた一ノ関さまの主唱であり、異議なく一決したものであった。

――ここをよく記憶しておいてもらいたいのである。

甲斐はそうつづけた。

――一ノ関さまの存在が、このように重くなったのは、御先代(忠宗)の御他界このかたである。御他界のおり、みまいに来られた水府(水戸頼房)卿が、「つな宗どの若年なれば、兵部どのにはよくよく家中の取締りをたのむ」と仰せられたそうで、これが一ノ関さまの立場を決定的にした、といってもよいであろう。古内主膳(故国老)どのが御先代に殉死されるとき、「兵部さまのことが気がかりでならない、よくよく注意せよ」と遺言されたが、それから僅か二年、どうやらすでにその懸念があらわれはじめたように思われる。

――これまで自分は、幸いにして紛争の局外にいることができた。これからもできるだけ局外に立って、事のなりゆきを見まもっているつもりである。世継の君が決定しても、それで一藩が平安におさまるとは思えない。不測の事の起こる心配は、むしろそのあとにあると考えられるが、これについては、帰国のうえで申上げることにする。

甲斐はそこで筆をとめた。