Japanische Klassiker mit Furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 148.519 Zeichen · 296 Bildschirme
なぜ勘解由がそんなに強硬なのか、どうして彼だけが異説をたてるのか、まるで理解がつかないようであった。
四日目の午後になって、とつぜん兵部少輔があらわれた。――兵部宗勝は四十歳になる。おもながの、気品の高い相貌で、いかにも政宗の末子らしく、その眉間には威厳のあるするどさと、ねばり強い剛毅な性格があらわれていた。甲斐より二つ年下であるが、見たところは甲斐より老けている。しかし声は細く、女性的で、わかわかしい響きをもっていた。
兵部はまえぶれなしにその席へあらわれ、上座に坐ってみんなの顔を見た。
「評議がまとまらないそうだが、なにが問題になっているのか」と兵部が云った。
みんなは勘解由を見た。勘解由は自分の意見をのべた。兵部は半ばまで聞いて、勘解由の言葉をさえぎった。
「それはもう重臣会議で決定していることではないか」と兵部は云った、「評定役は三人の処置をきめればよいので、すでに重臣会議で決定したことを論評する権限はない」
「お言葉を返すようですが」と勘解由が云った、「かような出来事は、まず評定役が審問し、その決定をまって重臣がたの御裁決に移るのが順序ではございませんか」