Japanische Klassiker mit Furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 148.519 Zeichen · 296 Bildschirme
「そこもとの名を聞こう」
「遠山勘解由でございます」
「いつ評定役になられた」
「当月の拝命です」
兵部は唇で笑った。それから云った。
「たしか奥山どのの身内ではなかったか」
「大学の弟でございます」
甲斐は黙って聞いていた。
兵部は他の人たちを見まわした。
「ほかにも同じ意見の者がいるのか」
みな黙っていた。兵部は甲斐を見た。甲斐は衝立のほうを見ていた。兵部は云った。
「ほかに同意見の者があるとしても、すでに重臣会議で決定したことを再評議する必要はない、この問題は打切って、処置の件にかかってもらいたい」
「失礼ですが暫く」と勘解由が云った、「一ノ関さまの仰せですから、それはまずそうと致しましょう、しかし評定役として、どうしても審問しなければならぬことがございます」
「よろしい、聞きましょう」
「金兵衛ら三名は暗殺のとき」
「暗殺ではない斬奸だ」と兵部がするどく遮った。
勘解由は口をつぐみ、いどみかかるように兵部を見た、しかしすぐに頷き、怒りを抑えた声で云った。
「そのとき三人は、上意討であると申したそうですが、これは容易ならぬことで、ぜひ審問して事実かどうかをたしかめなければならぬと思います」