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Japanische Klassiker mit Furigana

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はるはばしゃにのって

機械・春は馬車に乗って

横光 利一

Lesen Sie 機械・春は馬車に乗って (はるはばしゃにのって) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.492 Zeichen · 156 Bildschirme

Aozora Bunko

梶はどこの国の街へ降りてもまだ案内人を自分から依頼したことがなかった。そして、万事ただ一人で行動していたため、この度(たび)のヨハンの不意の出現は却って不自由ささえ覚えたが、そこにハンガリヤらしい愛情のひそみあるものも感じ、不審を起さず一切彼のいうままに随(したが)って見ようと決めてから、再び寝台に身を倒した。しかし、考えてみると、まだ案内の値も訊(き)き質(ただ)さなかった落度が自分にあった。そこに多少の不安さも感じられたが、とにかく、相手はハンガリヤ人である上に、珍しく日本語を解している人物だという点でも、疑ってはならぬ貴重な人だと梶は思った。

この夜ヨハンの案内してくれた場所は料亭で、食事をしてから後に、最少は五歳、最年長は二十歳の二十数人からなるジプシイ楽団のヴァイオリンを聴(き)いた。この楽団はみな暗譜で自由な絃(げん)の動きが感じられた。生れたときからの生活そのものがヴァイオリンの弓から始まるとの事で、韻律も流れのままに荒野を生活してゆく、奔放幻怪なおもむきは強烈なものだった。案内はそれで終ったが、それはむしろ、ヨハンの好意ある案内だったといって良かった。