Japanische Klassiker mit Furigana
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はるはばしゃにのって
機械・春は馬車に乗って
横光 利一
Lesen Sie 機械・春は馬車に乗って (はるはばしゃにのって) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.492 Zeichen · 156 Bildschirme
みな揃いの空色に、黄色な肋骨(ろっこつ)をつけた騎兵の服装で、真赤なズボンに黒い長靴を穿(は)いていた。顔にかかる滴りの飛び散るような鮮かさだった。
「この子らは市の踊子で一番権威を持っているのです。ハンガリヤの踊りです」
と、ヨハンは云った。この十人ほどの踊りはいろいろに変化したが、間を保たせず、閃(ひら)めき変り、飜(ひるがえ)ってゆく調子の連続に訓練のこもった妙味があった。踊子らも選(え)りぬきと見えそれぞれに優劣の差のない、揃った清潔な感じがした。手穢(てあか)の染まぬ若い騎兵の襟首(えりくび)の白さにちらりとほの見える茎色の艶(つや)があった。実に眼醒(めざ)めるばかりの美しさだった。
「なかなか面白い踊りですね」
と梶は見飽きずに云った。ヨハンもそう云われたことが嬉しいらしく、この踊りだけは観賞し直すという風に、
「日本の方が御覧になると、どの子が美しいと思われますか」
と梶に訊ねた。
「そうだなア」
すぐには批評しがたく笑いながら梶はまた眺めた。
「前列の右から三番目の子かな」
揃った肋骨の迅(はや)い動きの中から一人を選ぶのは、難(むずか)しかった。