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Japanische Klassiker mit Furigana

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うたのうるおい

歌の潤い

伊藤 左千夫

Lesen Sie 歌の潤い (うたのうるおい) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.665 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

一寸考えると、潤いのあるという事は味があるというよりは稍狭義に思考せられるが、潤いがあっても味いは無いという事は、想像が出来ない。そうして味いのある歌に潤いが無いということも考えられない。ただ味いの無い佳作という事は容易に想定が出来ないに反し潤いの感じは無くても、佳作はあり得ると無雑作に考えられる。味いと潤いとはこれだけの相違はあるように考えられる。

けれども如何なる塲合に於ても、歌に潤いが無いということをもって、創作上の進歩と認め得るような事は断じて有得ないと考えられる。そうして予は最も潤いのある歌を好むのである。潤いのある歌が何となく※(「口+喜」、第3水準1-15-18)しくなづかしい。味いを感じない歌に至っては最う嫌いである。少しその意を進めて云うならば、情調的味いの無い歌には殆ど興味を感ずることが出来ない。ここで断っておくがこの情調という語は、勿論人情の意味ではない。しかし予も自ら潤いの乏しい歌と思うような歌を詠んだ経験は少くない。前号『曼珠沙華』などはそれである。鬱情を散ずるに急なる、情調を湛うるの余裕がなくて出来た歌である。自分の慰安の心よりは、余義ない気持の勝った歌である。