Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
うたあんどん
歌行灯
泉 鏡花
Lesen Sie 歌行灯 (うたあんどん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.094 Zeichen · 72 Bildschirme
あのまた馬鹿野郎はどうしている――」と膝に手を支き、畳の杯を凝と見て、陰気な顔する。
捻平も、ふと、この時横を向いて腕組した。
「旦那、その喜多八さんを何んでお連れなさりませんね。」
と愛嬌造って女中は笑う。弥次郎寂しく打笑み、
「むむ、そりゃ何よ、その本の本文にある通り、伊勢の山田ではぐれた奴さ。いい年をして娑婆気な、酒も飲めば巫山戯もするが、世の中は道中同然。暖いにつけ、寒いにつけ、杖柱とも思う同伴の若いものに別れると、六十の迷児になって、もし、この辺に棚からぶら下がったような宿屋はござりませんかと、賑かな町の中を独りとぼとぼと尋ね飽倦んで、もう落胆しやした、と云ってな、どっかり知らぬ家の店頭へ腰を落込んで、一服無心をした処……あすこを読むと串戯ではない。……捻平さん、真からもって涙が出ます。」
と言う、瞼に映って、蝋燭の火がちらちらとする。
「姉や、心を切ったり。」
「はい。」
と女中が向うを向く時、捻平も目をしばたたいたが、
「ヤ、あの騒ぎわい。」
と鼻の下を長くして、土間越の隣室へ傾き、
「豪いぞ、金盥まで持ち出いたわ、人間は皆裾が天井へ宙乗りして、畳を皿小鉢が躍るそうな。