Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むさしたびにっき

武蔵旅日記

山中 貞雄

Lesen Sie 武蔵旅日記 (むさしたびにっき) von 山中 貞雄 (やまなかさだお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.659 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

要心深く辺りを見廻した。

葛籠の傍へ寄って人影なしと見て天狗の面を取って辻堂の縁に置く。

山賊である。合図をすると、児分が二人現れる。

葛籠を開ける。

内のお絹、恐る恐る、見ると、

山賊の好色の笑。

アッと叫んだお絹。

辻堂の中から手が出て、縁に置かれた天狗の面をそッと掴んだ。

山賊輩はお絹を葛籠から担ぎ出す。

争うお絹。

と、

辻堂の扉がバタンと勢いよく開いた。

T「こーら」

タハッと驚く山賊が振り返ると、

真黒な辻堂の中に天狗の顔が物凄く光って居る。ワーと山賊、腰を抜かす。

辻堂の天狗が(団九郎)、

T「吾こそは

此の仙境に

棲む天狗なり」

そら出たと山賊達、腰を抜かす。

団九郎の天狗は悠々と現れ出て、

T「我名を騙る

憎い人間ども」

山賊達、震え上る。

処が団九郎、調子に乗って首を振って居た時、

天狗の面が落ちる。

驚く団九郎。

山賊も驚いた。

それッと山刀抜いて斬って来る。

団九郎、辻堂へ逃げこむと入れ違いに、

武蔵現れて、

三人を斬り捨てる。(F・O)

S=山道――暁

武蔵と団九郎がお絹を伴って、

下りて行く。

お絹道々、武蔵に話す。

T「助けて戴きましたのは嬉しう御座いますが」